当院では消化器を専門とする内科医が胃カメラ(上部消化管内視鏡)、大腸カメラ(下部消化管内視鏡)、そして腹部エコー検査を行っています。
それぞれの検査について紹介させて頂きます。
胃カメラ(上部消化管内視鏡)
検査日・・・月〜土曜日の午前中
口、又は鼻より内視鏡を入れて食道、胃、十二指腸を体内から調べる検査です。
検査時間は5分から10分程度と短く(検査前の準備にはもう少し時間がかかります)、バリウム検査と違って実物を目で診ることが可能なため診断能力が非常に高い検査です。
また気になる病変があれば組織を一部採取する(生検と言います)ことが可能なのもバリウム検査との大きな違いです。
従来は口から内視鏡を入れていたので「胃カメラは辛い」という印象が強かったのですが、鼻から入れる内視鏡(経鼻内視鏡)が登場してからはそういった偏見は過去のものとなりつつあります。
(詳細は「経鼻内視鏡について」を御参照下さい)
胃カメラは食事さえ摂取していなければその日のうちに検査が可能ですので、御希望の方は食事を摂らずに午前中に外来を受診して下さい。
(検査の件数が多い場合は当日の検査が出来ない可能性もあります)
大腸カメラ(大腸消化管内視鏡)
検査日・・・月、水、木曜日の午後
肛門より内視鏡を入れて大腸の奥(大腸と小腸との境目)まで調べる検査です。
大腸カメラはまず便を大腸から取り除く必要があるため、検査の前に検査食(検査用の特別な食事)と下剤をお渡しします。
そのため胃カメラと違って病院に来てすぐに検査を始めるということはできません。
具体的には前日の昼と夜に検査食を食べて頂き、寝る前に下剤を、そして当日の朝からスポーツドリンクのような下剤を1.8L程2時間くらいかけて飲んで、何回も便を出して便が水のようになったら検査を開始します。
検査時間は15分から30分程度ですが、当院では軸保持短縮法という苦痛の少ない手法を導入しているため、「胃カメラより楽だった」と感想を述べる方もいらっしゃいます。
(詳細は「苦痛の少ない大腸カメラについて」を御参照下さい)
大腸は襞(ヒダ)が深いので一度の検査では80〜90%程度しか観察できないため、見落しを防ぐためにも2〜3年に一度検査を受けて頂くことをお勧めします。
大腸カメラは辛いのではと二の足を踏んでいらっしゃる方はまず便潜血(便に血が混じっているかどうか)の検査を受けて下さい。
最近の研究で「便潜血の検査が大腸癌による死亡率を20〜30%減らすことが明らかになっているため、まず便潜血の検査を受けて陽性という結果が出たなら大腸カメラを受けるというのが主流となりつつあります。
(注:便に明らかに血やドロっとした粘液が混じっている場合は大腸カメラをすぐに受けて下さい。大腸癌などの命に関わる病気が隠れている可能性があります。)
腹部エコー検査
検査日・・・月〜土曜日の午前中
超音波を利用して肝臓、膵臓、腎臓など内視鏡では検査ができない臓器を調べる検査です。
お腹に超音波を通しやすくするためのゼリーを塗り、プローブ(超音波を発し、かつその反射波をキャッチする装置)を体に軽く当てて検査を行います。
食事を摂らない方が検査しやすいため、午前中に行うことが多い検査です。
検査時間は10分程度で放射線を使わないので被爆することもなく、ほとんど苦痛の無い非常に体に優しい検査です。
患者様への負担がほとんど無い上に、得られる情報が多いという非常に有用性の高い検査です。 |